地理空間情報部門

業務内容

公共測量

測量に要する費用の全部、または一部を国・公共団体が負担・補助して実施する測量をいいます。測量とは、基準点測量、地形測量、地図調製（地図編集）をいい、測量用写真の撮影も含まれます。

基準点測量

既知点に基づき、基準点の位置又は標高を定める作業です。基準点とは、測量の基準とするために設置された測量標で、位置に関する数値的な成果をもつものです。既知点は既に設置されている基準点で、基準点測量の実施にあたって、その成果をベースに基準点を新たに設置します。基準点測量では、GNSS測量機（GPS,準天頂システム、GLONASSなどの人工衛星の信号を用います）やトータルステーションを用いて実施します。

現地測量

トータルステーションやＧＮＳＳ測量機を用いて、地形や地物等を測定して、地形データを作成する作業です。地形図の描画方法にはルールがあり、地図の縮尺（地図情報レベル）によって描画方法が変わってきます。ルールの中には、みなさんがご存知の「地図記号」もあります。

地上レーザ測量・三次元地上レーザ点群測量

地上レーザスキャナを用いて、地形、地物等を観測し、地形図データを作成する作業です。レーザは一定の速度で地物にあたって跳ね返ってきますので、その戻ってくる時間から距離を計算できます。また、地上レーザスキャナは、レーザ照射部を縦方向に、さらに器械本体を水平方向に回転させながら光を連射します。照射部の向きと対象物の距離から、レーザがあたったものの位置がわかりますので、地形を点の集まりとして観測することができるのです。

車載写真レーザ測量

先述した地上レーザ測量は、１箇所からの観測になりますが、これを移動しながら取得するのが車載写真レーザ測量になります。車に、GNSS測量機と、車の傾きや加速度を計測する器械を搭載することで、自分の位置が認識できるので、移動しながらの観測が可能になります。地上レーザ測量に比べて、広範囲での観測が可能になります。

UAV写真測量・三次元UAV点群測量

無人航空機（ＵＡＶ）により地形、地物等を撮影し、写真から地形図データを作成する作業です。写真測量は従来セスナ等を用いて行われていましたが、UAVとPCの高性能化に伴い、民生カメラを用いた写真測量が可能になりました。

UAVレーザ測量

UAVレーザ測量は、写真測量に対し、植生下の計測が可能となります。高密度で正確な点群を空中から取得できるため、以前は数日かかった現場作業を、１日で完了できるようになりました。

応用測量

道路、河川、公園等の計画、調査、実施設計、用地取得、管理等に用いられる測量です。大きく、路線測量、河川測量、用地測量、その他、に分類されます。

路線測量

線状築造物（道路や河川などのいわゆる長もの）建設のための調査、計画、実施設計等に用いられる測量です。道路で例えると、まず道路が走る中心線形を設定し、一定間隔（20mだったり、100mだったり）で基準点を設定します。そしてその標高を測量し、続いて断面方向の測量を行います。そうすることで、骨組みのような地形が仕上がります。この骨組みを使って、設計を進めていくことになります。

河川測量

河川、海岸等の調査及び河川の維持管理等に用いる測量です。あくまで、調査・維持管理が目的で、河川の新設や改修には、路線測量を行います。河川の位置関係を示す距離標の設置や、定期的に堆積状況を把握するための定期縦横断測量・深浅測量などがあります。

用地測量

土地及び境界等について調査し、用地取得等に必要な資料及び図面を作成する作業です。例えば道路工事で山を買い取ることになった場合、その土地の境界を測量によって明示化して、売主と買主、また隣接する土地の持ち主との確認を行ったりします。

不動産登記

土地の分筆や家の新築などを行う際、その現状を所有者に代わって法務局に登記します。不動産の現況を把握するため、綿密な調査や測量を行い、その結果に基づいて不動産の表示に関する登記申請書類を作成して法務局に提出します。

交通量調査

道路の交通量及び道路現況等を調査して、道路の計画、建設、維持修繕その他の管理などについての基礎資料を得ることを目的に実施します。その他にも、ショッピングモール新設にあたっての事前調査などでも実施されます。一般的にはカウンターを使って、一定時間（６時間や１２時間、２４時間もあります）車両のほか、人・自転車を計測します。車両も大型・中型・普通車などの区分で計測するなど、データが使用される目的によって変わってきます。

地籍測量

「国土調査法」に基づき実施するもので、ひとつひとつの土地について、所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地積に関する測量で、その成果として地籍図と地籍簿を作成します。これらの成果は認証を受けたあと、法務局に送付され、土地登記簿が書き改められることになります。土地の境界をめぐる紛争の防止や、課税の適正化、災害復旧の迅速化に役立ちます。

国有財産払い下げ

里道・水路としての機能を失い、現に、公共的な用途に使用されていない土地は国が管理しています。その土地を購入希望者へ売却するために、境界の確定を行ったり、価格算定や売買契約に関わる資料等を作成します。その他にも、国が保有する土地の売却や所有権移転登記、貸付契約に関わる調書等を作成します。

三次元出来形管理

ICT活用工事において、起工測量・出来形計測を三次元データとして取得し、３次元設計データと対比して、正確な土量や、出来形の評価を面的に行う作業です。従来は、一定スパンを点で管理していましたが、面管理することで効率化・正確性が向上し、また設計変更に柔軟に対応できるようになります。